紅王子と侍女姫  120

 

 

同盟国会議の二日前、エルドイド王宮及び西翼宮周辺は早朝から喧々たる様相を呈した。

王城正門から西翼宮まで長々と続く馬車の列を王宮警護兵らが迅速に誘導し、賓客が降りた馬車を急ぎ厩舎へ移動させ、ニ階三階の各部屋へと案内していく。西翼宮へ案内された各国の王族を待ち受けるのは王宮の侍従や侍女たちで、毅然とした態度で指定の部屋へと誘導し、大量の荷物を運び入れる。それらを采配する西翼宮の侍従長は、賓客からの数多の要望に引き留められ、足止めを喰らい続けていた。 

「ギルバード王太子殿下との謁見を希望したいの」 

「晩餐会の席順を殿下の隣に変えて頂きたいわ」 

「特別な贈り物があるので、ぜひ直接お渡したいの」 

他国の者に聞かれないようにと声を潜めた懇願を侍従長は表情一つ変えずに断り続けるが、妙齢の姫たちは一歩も引くつもりがない。そっと息を吐いた侍従長は手帳に国名と要望を書き記し、意味ありげに頷いて場を離れることに成功するが、すぐに次の賓客の要望に足止めを喰らい、再び吐息とともに手帳を出すを繰り返していた。 

全ての賓客が西翼宮の各部屋に落ち着いたのは昼もとうに過ぎた頃。庭園や宮に隣接するサロンには、同盟国会議終了後の大舞踏会に重きを置いた姫君が集まり、優雅な微笑みを交わしながら、その笑みの下で冷たい火花を散らす。

エルドイドの王太子妃殿下は決定済みだと王太子殿下自らが口にしていたが、四か月以上経過した今もまだ公布されていない。エルドイド国内の貴族息女らしいという噂だけが流れ、詳細は不明のままだ。

その真偽を確かめたいと、姫君たちは誰か知っている者はいないかと探りの微笑を浮かべ続ける。しかし誰もその件に関して尋ねる者はなく、自ら語り出す者もいない。姫たちは皆、色鮮やかな扇を優雅に揺らしながら、その陰で唇を歪めるに留めていた。  

 

同盟国が参加する会議には例年以上の列席者が犇めき、ギルバードはすべての姫と姫付きの侍女に退室を願い出ることになった。呪いにも似た暑苦しい秋波と息が出来ないほどの香水の匂いの中では、話し合いなど出来やしない。さすがに宰相もそれに同意してくれたが、王だけは肩を震わせ続けていた。お前の零した一言が招いた、これがその結果だと笑っているのがわかるが、会議にならないのだから仕方がない。 

すべての窓を開け空気を入れ替えてからの会議は順調に進み、議題を次々に消化していった。 

翌日の会議にも参加を申し出る姫君を締め出したまま、昼過ぎに無事会議は終了し、夕刻には場を移して晩餐会、続いて舞踏会が催される。 

着替えのため、自室に戻ったギルバードは幾度目かの溜息を吐きだした。

ディアナと視線を合わすことさえ禁じられた今、舞踏会への参加はただの苦行でしかない。それでも主催国の王太子として笑みを浮かべようと鏡を見るが、映っているのは精彩を欠いた男がいるだけだ。

 

「溜め息なんか吐いている場合じゃないですよ、殿下。何度も言いますが、ディアナ嬢の記憶が戻るまでの辛抱です。もし記憶が戻らなくても、心を込めて口説けばいいだけのこと。例えば・・・どんな高貴な花より君だけを私の胸に咲かせ続けたい。このような口説き文句はどうですか? または、貴女の肌を愛でるのは私だけの特権とさせて欲しい。貴女の瞳に映るのは私だけにして欲しい、とか。あ、口説く時はディアナ嬢の耳元に囁くように言うんですよ。ディアナ嬢の腰に手を回し、ぐっと力強く引き寄せてから囁くのが効果的です」 

「・・・・・そんな上級者テクニック、俺には無理だ」 

「なんと情けないことをおっしゃるのですか! 勢いに任せて唇を奪うことは出来ますのに・・・。いいですか、殿下。口説く時は真摯に、そして正面からディアナ嬢の目を見て、祈るように愛の言葉を囁くのですよ」 

こうですよと、腕の中に囲った仮想の人物の顎を恭しいしぐさで持ち上げようとするレオンに、「そんなの出来るか!」とギルバードは苛立ちも露わに髪を掻き毟った。 

レオンが勧める口説き文句を囁くことは無理だが、ギルバードも自分なりに精いっぱいの言葉で口説いたつもりだ。ディアナが記憶を失う前も失ってからも、好きだ、惚れている、俺と一生を添い遂げて欲しいと伝え続けた。

その言葉は少しでも、欠片でもいいからディアナの心に届いただろうか。少しでも響いただろうか。もし響いていたら、今のディアナとの関係は―――少しでも前に進むことが出来るだろうか。 

「さて、そろそろ舞踏会会場へ移動致しましょうか、殿下」 

素っ気ない声掛けに溜息を返し、ギルバードは立ち上がった。  

 

 

同盟国を招いての舞踏会は時折催されていたが、今回のそれは、常とは全く違ったものだった。

まず空気が違う。ひとりふたりのものならば耐えられただろう香水が複数混じり合い、今や顔を顰めそうなほどの甘さと化し、ギルバードを追い詰める。春先にしては温かい夜のため庭園を望む大窓をいくつか開け放ってくれたお蔭でどうにか表情を変えずにいられたが、そうでなければ吐き気を堪えるために眉を顰め続けていたかも知れない。 

そして舞踏会の会場に現れた同盟国の姫君たちや招待された国内貴族の息女のドレス姿は、朴念仁だと自負しているギルバードでさえ、その気合の入りようと豪奢さに目を瞠るほどだった。同時に頭の中には、瑠璃宮の魔法導師が使役している色鮮やかなカエルやオオツチグモ、南洋で捕獲したというウミウシが浮かんだ。中にはコガネムシのような光沢のあるドレス、カンムリワシのような珍妙な羽根飾りの帽子を被っている者もいる。 

「おい見ろ、レオン。あのドレスの腰部分にグリフォンみたいな羽飾りがついている」 

「殿下・・・せめて、ミノバトかムクドリくらいにしましょうよ」

 

比較対象は似たようなものだろうと心の裡で反論し、それよりもとギルバードはディアナの姿を探った。

華やかなイブニングドレスや正装の貴族が犇めく中でディアナひとりを探すのは難しいが、気取られないよう気を付けながら瞳の色を変えてローヴの魔法力を探るのは容易いことだ。 

大きな舞踏会の場を王子らしい笑みを方々へ投げ掛けていると、南庭園を望む窓の近くにローヴの魔法力を感じた。目を凝らすと一般的な貴族らしい衣装を纏ったローヴの横に、ディアナがいた。来ていたかと安堵の息を吐こうとして、気が付く。ディアナの横にいるのは、ローヴだけではなかった。

もう一人、見知らぬ若い男がいる。

あれは誰だと凝視していると、隣から大仰な咳払いが飛んで来た。 

「ギルバード、式開催の挨拶を述べよ」 

王からの𠮟咤混じりの指示に、ギルバードは口中だけで舌を打ち鷹揚に立ち上がった。会場のざわめきが一瞬で静まり、立ち上がったギルバードに耳目が集まる。ギルバードは大きく息を吸い、同盟国との親善舞踏会の開催を宣言した。 

 

熱帯の海のような舞踏会場で泳ぐ魚たちから、時折ねっとりとした熱を孕んだ視線が飛んでくる。それに多少強張った笑みを返しつつ、ギルバードはある一組をチラチラ窺い続けた。

捉えた視界の端で、淡い水色のドレスがふわりゆらりと揺れ動く。

あれは・・・あのドレスは、東宮の一室でダンスのレッスンをするときにディアナが着ていたドレスだ。男性と踊るのは初めてだと、その初めてが殿下で良かったと語ったディアナを思い出す。

あれから一年近くが経過した。その間に進展したものは何かと、ギルバードは眉を寄せる。

進展はした。確かにした。

執着にも似たディアナに対する想いが恋だと自覚したギルバードは、多少手間取ったが想いを告げ、どうにか受け入れてもらった。今まで彼女が歩んできた人生とは真逆の、窮屈な宮廷生活となるだろうが、それでもギルバードの妃になることを承諾してもらい、しかしその後、二人の運命は急転直下する。 

ディアナの記憶からギルバードの存在は消え、半年余り滞在した東宮での生活も、王城に来た経緯も忘れ去られていた。無垢で素直なディアナは周囲の説明に眉を寄せつつも王城に来た理由を一応は納得し、だが用が済んでいるなら自領に帰りたいと訴え出た。 

――――ギルバードの結婚申し込みに微笑んで頷いてくれたことも、自分の父親の前で共に結婚の意志を伝えたことも、全てを忘れて。そうなったのはディアナを守り切れなかった自分に原因がある。

必ず守る。そう何度も誓ったのに、何度も恐ろしい目に遭わせ、傷を負わせ、記憶の一部を失わせた。ディアナを不幸に陥れる諸悪の根源は自分なのではないかと、悩んだこともある。

だけど、それでもディアナを手放せない。ディアナ以外、望むものはない。

だがいま、手を伸ばせば届くところにいる彼女は、ギルバード以外の誰かと踊っているのだ。

じっと見つめ続けていると、真横と背後から咳払いが飛んで来た。国王の胡乱な視線とレオンの促すような視線に、ギルバードは嫌々ながら立ち上がる。待ってましたとばかりに寄って来た同盟国の姫君のひとりに手を差し出し、刑場に赴くような気分で足を踏み出した。

 

 

「気になりますか?」

「いえっ。・・・・いいえ、気に・・・なります」

気になるかと問われ、すぐに否定したが、それは間違いだとディアナは吐露した。一段高い場所に座っていた王子が立ち上がった瞬間から、実は気になっていたのだ。

真白い正装を纏った王子は誰よりも目立つ。凛々しくも精悍な顔立ちに柔らかな笑みを浮かべ、深紅のドレスを身に纏った女性とホールの中央で踊る姿はまるで描かれたばかりの絵画のようで美しい。周囲には順番待ちをしているのだろうか、頬を染めて王子を見つめる多くの女性がいる。

王城に来てから王子に会う機会は一度もなかった。間近に迫った同盟国会議の主催国であり、議事進行を任された王子はとても忙しいと聞かされてはいたが、まさか一度も会えないとは思わなかった。年が明けてから王子の顔を見たのは春祭り以来で、久し振りの王子の姿にディアナの鼓動は大きく跳ね上げた。

しかし美しい女性の手を取り踊り始めた王子から慌てて視線を逸らし、誇らしげに嫣然と微笑む女性の表情を脳裏から押し出そうと強く目を瞑る。

豪華なドレス姿の女性はいずれかの同盟国の姫なのか。王都に住まう貴族息女も多く参加していると聞いているが、同盟国会議後の舞踏会で王子と共に踊るのは他国の姫だろうことは予測できる。

大国の王子であるギルバードと、他国の美しい姫。とてもお似合いで、だからこそ目にしたくないと瞼を震わせた。 

 

「・・・この曲が終わりましたら、庭園で休みましょうね」

自分の考えに沈み込んでいたディアナは、緩やかな足取りで窓際へと誘導する男性からの声掛けにダンスの最中だったと思い出す。ディアナはその気遣いに申し訳なく思いながらも感謝し、小さく頷いた。

「申し訳ありませんでした、カイト様」

舞踏会には強制参加と言われたが、貴族息女がひとりで王城主催の舞踏会に参列することはない。

いまのディアナには記憶の欠如があり、何かあった時に対応してくれる人が必要だった。そこでローヴとカイトが父兄役として付き添ってくれることになった。ディアナひとりでは西翼宮から会場となる南翼宮への移動も出来なかったし、目を瞠るほど大きく広い舞踏会場に臆して踵を返していただろう。多くの人に怯み、庭園の奥へと逃げ出していたかも知れない。

高貴な人々を前に狼狽し、幾人かの男性に声を掛けられ困惑するばかりのディアナをダンスに誘ったのはカイトだ。少しだけ踊って、それから庭園で休み、そのまま部屋に戻りましょうと言われた。

不意に訪れる失った記憶の断片の中に舞踏会で踊っているらしい風景があったが、実際に王城で催される舞踏会で踊る自分に違和感を覚える。高い天井には優美な絵画が描かれ、楽団が奏でる音曲は深く華やかだ。優雅で絢爛。自領で催す舞踏会とは規模も参加する人の身分も違う。自分がこの場にいる違和感に息が止まりそうになり、指先に痺れを感じた。

曲が終わり歓声と拍手が会場に響く中、次の曲が始まる前にとカイトとともに庭園に移動する。広間の中央では王子がダンスを踊った姫に、恭しく御辞儀をしていた。次はどの国の姫君と踊られるのだろう。

黒髪の女性だろうか。それとも金茶の髪の女性だろうか。

 

「・・・・っ」

「そのまま目を閉じていて下さい。身体を預けて、無理はせずに」

「申し訳・・・ありま・・・ん」

王城に来てからは一度もなかった記憶の揺り戻しに、身体から力が抜ける。曲が終わるまでと、崩れそうな足を叱咤した。強く瞑った瞼の裏には、王子と踊る、艶やかな黒髪に真珠を散りばめた美しい女性の笑みが広がる

それは失った過去の一場面だろう。どうやら、過去の自分も同じ会場で踊っているようだ。

引き寄せられる腰、重なり合う手、早いターンで視界がぐるりと変わる。目を眇めるほどの輝きが降り注ぎ、自分が何処にいるのか分からなくなる。私と踊っているのは誰なのか? 目の前の男性は黒髪ではない。どこか楽しげで、包み込むようなオーラを醸し出す温かい人。向けられる視線は終始穏やかで、ディアナが知っているはずの、焦がれたような眼差しではない。

急いたように手を握り、視線をどこに向けたらいいのか戸惑うような熱を放つ、あの方ではない。

いや、王子と踊ったことはないはずだ。舞踏会に参加したのは一度だけで、国王陛下と二回、レオンと一回踊っただけと聞いた。それなのに王子の渇いた手の熱を覚えているような気がする。エディもオウエンもそんなことは言っていなかったというのに、どうしてなのか。

どうして――――、あの手を取るのが自分じゃないのだろうか。

自分の考えを愕然としながら否定する。首を振り、畏れ多いことだと身を竦める。同時に、思い出したいと強く願う自分に戸惑いながら、泣きたい気持ちになった。

いくら王子が自分を望んでくれていても、一貴族の息女が未来の国王陛下に嫁ぐなど有り得ない。それなのに何度も繰り返された王子からの真摯な言葉と態度、そして手紙の文面を思い出し、有り得ない夢を見そうになる。

庭園へ移動しながら、ディアナはそっと振り返った。

明るく輝く世界の真ん中で、王子と姫が優雅なダンスを披露している。微笑ましいと見つめるのは国内外から招かれた身分高き人たち。姫が王子を熱く見上げ、王子も姫を優しく見下ろす。どの姫が王子の心を射止めるのかと、通りすがりの貴婦人が囁く。どの国の姫を娶っても問題はないと、グラスを傾ける壮年貴族の声が聞こえる。

「ディアナ嬢、こちらへ」

いつの間にか足が止まっていたようだ。ディアナは頷き、促されるまま仄かな明かりが灯る庭園へと足を進ませる。庭園に点在するガゼボが、何故か滲んで見えた。

 

  

ギルバードがどうにかダンスの終えて席に戻ると、レオンが密やかな声色で話し掛けてきた。 

「ギル殿下。ディアナ嬢がダンスのお相手と一緒に、ひと気のない庭園の奥の方へと移動しました。と同時に、幾人かの姫君もそちらに向かった様子。・・・どう致しますか?」 

私が様子を窺いに行きましょうか。それとも双子に行かせますか? 

僅かに笑いを滲ませつつ囁くレオンに、ギルバードは「はぁ?」と眉を寄せた。ディアナが躍っていた相手も気になるが、姫たちの動向はそれ以上に気になる。姫たちが、ただ単に涼みに行っただけの可能性もあるが、幾人もが連なって行くはずはない。そこで、不意に思い出す。ディアナが以前参加した舞踏会に参列していた姫が、今回の舞踏会にも参加していると。 

その姫はディアナの顔を見知っているはずだ。

国王やレオンとダンスを踊った彼女を、国王から自国の侯爵家の娘であり、賓客だと説明されていた。

注目を集めていたディアナを覚えている貴族もいるだろう。そもそもバールベイジ国のビクトリア王女でさえディアナの存在を知り、東宮に滞在していたことなどから消そうと動いていたのだ。

ディアナが向かった庭園に、ぞろぞろと連れ立って向かった姫たちの存在。間違いなく、面倒事が起こるだろう。ディアナが、そんなことに巻き込まれるなど有ってはならない。

 

「・・・案内しろ」 

「おいおい、どこに行くつもりだ、ギルバード。お前がディアナ嬢に近付くことは禁じたはずだ。目にもしてはならぬといったのに、チラチラと盗み見していたのは知っているぞ」 

立ち上がろうとしたギルバードを制止する国王の声に、目を瞠って振り向く。柔和な笑みを浮かべたまま前を見据える国王の顔に、ギルバードは眉を顰めた。 

「私は、盗み見てなどいません」 

「ディアナ嬢のことは、ローヴに任せておけばいい。お前が動けば注目される。余計なことをして、新たな火種を振りまくな。それよりも周囲の視線を、他の姫とのイチャイチャで集めておけ」 

「・・・イチャイチャするつもりなど、ありませんっ」

 

ちらりと流し目を送って寄越した国王に鼻で嗤われ、ギルバードは庭園に背を向けて立ち上がる。その背を軽快に叩き、付き合うとばかりに笑うのはレオンだ。庭園に向かう者が一人でも減るように強く願いながら、ギルバードは満面の笑みを浮かべて小走りで近付いて来た姫君に手を差し出した。

庭園で今何が起きているか、ディアナのそばにいる男はディアナを護る腕を持つ者なのか。このまま人任せにしていいものか。いや、駄目だろう。ディアナを護るのは、未来の夫である自分だけだ。

ギルバードの動向に目を光らせる貴族らの目を晦ましてでも、絶対に行ってやる。ずっと、ずっと我慢をし続けてきた。ディアナが同じ城内にいるというのに、我慢し続けてきたのだ。

やっと逢えたと思ったのに踊ることも出来ず、言葉を交わすことも出来ずにいる。

これで、どうやってディアナを口説けばいいというのだ。国王もレオンも、ギルバードを焚きつけるだけ焚きつけ、新たな火種を撒くなと動きを制す。国王だって過去には母アネットを執拗に追いかけ回していたそうじゃないか。

不用意な言動でディアナを困らせるつもりはない。ディアナの家族に迷惑を掛けるつもりもない。やってしまった過去は重々反省するが、このままでは我慢も限界だ。

この曲が終わったら、その足で庭園に向かおうとギルバードは歯噛みした。

 

 

  

 

 

 

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